まずは下の動画をご覧下さい。中川卓爾先生が頚部脊椎症の痛みや痺れの原因をご説明しています。
中高年になると、首の骨の老化現象から、上を向いたときなどに痛みの現れる人がでてきます。
多くは保存療法と自己管理で楽になりますが、脊髄の障害が疑われる症状が出てきたら放置できません。
年をとると頚椎にも老化現象が現れ、椎間板、椎間関節、靭帯付着部などを中心に、加齢に伴う現象、すなわち「変性」が起きてきます。
それによって、椎間板が断裂したり、椎骨の縁などに新しい骨棘(こっきょく)ができたり、頚椎がぐらぐらと不安定になったり、靭帯が厚くなったりすることがあります。これが「頚部脊椎症」です。
椎間板が老化することによって、椎間板は薄くなります。
この変化は頚椎の中でも最も運動の大きい、下の方の第五、第六、第七頸椎などに起きやすいのですが、このような頚椎に異常な刺激が加わると、脊椎の骨も異常にかたくなったり、椎骨の先が伸びて骨のトゲのようなもの(骨蕀)が出てきます。
このトゲが、椎間孔(神経の出てくる孔)を狭くして、各部に向かう神経根を圧迫するようになります。
頚部脊椎症は、主に40歳以降に見られ、50~60歳代で特に多くなります。男女による発生頻度の差はありません。
原因には、生まれつきの素因が関係するといわれます。頚椎の老化は誰にでも起こりますが、それによって症状が現れるかどうかは、生まれつきの脊柱管の広さなどが関連し、狭い人は症状が出やすくなります。
かつて首の外傷(例えば頚椎のねんざなど)を負ったことがある人や、スポーツをやり過ぎた人なども、頚部脊椎症をおこしやすい人たちです。 また、喫煙も関係するといわれています。
まず現れるのは首や肩の症状で、「痛み、こり、違和感、運動制限、運動痛」といった症状です。
運動痛は、多くの場合、上を向いたときに痛みが生じます。そのため、電球の交換、洗濯物干し、高い窓の掃除、うがい、美容院のシャンプーなどで痛みが出ることがよくあります。
頚椎から出ていく神経の神経根が障害された場合(頚椎症性神経根症)には、その神経が支配している領域に症状が現れます。「腕への電気が走るような痛み」といった症状があります。
頚椎内の脊髄が障害された場合(頚椎症性脊髄症)には、全身にさまざまな症状が現れます。
上肢では、「脱力や手指のしびれ感や動きのぎこちなさ、巧こう緻ち運動障害(細かな手作業ができなくなる)」が起こり、「はしを持てない、うまく字が書けない、コインを扱いにくい」といった症状が現れます。
下肢では、「痙けい性せい歩行(脚がつっぱって歩きにくくなる)」が見られるようになり、早く歩いたり、階段の上り下りをしたり、ジャンプしたりすることが困難になります。
さらに、膀ぼう胱こうや直腸の機能にも影響が及び、「排尿困難、排尿障害(尿勢の低下、残尿の増加)、畜尿障害(頻尿、失禁)、排便障害(便秘)」などの症状が現れます。
まずどのような症状があるのかの問診が行われ、次に頸椎や神経の身体所見を調べる診察が行われます。
患者さんの首を上に向かせて、上から頭を押して痛みが出るかどうかを調べる「スパーリングテスト」、手を開いたり閉じたりする運動を10秒間に何回繰り返せるかを調べる「10秒テスト」などがよく行われます。
手指のすばやい屈曲・伸展の繰り返し運動の能力を見る。10秒間に「グー」「パー」をすばやく繰り返し、何回できるかを調べる。20回以下の場合には、頚部の脊髄の障害が疑われる。
頚部脊椎症の治療には、保存療法と手術療法がありますが、基本となるのは保存療法で、大部分はこれでよくなります。
頚椎の安静を保つことが大切です。
頭を後ろに反らす姿勢は、神経を圧迫することになりやすく、痛みを引き起こす原因となるので注意します。
痛みを伴う姿勢や運動は行わないようにするのが基本です。
痛みに対しては、「薬物療法」がおこなわれます。使われる薬は、消炎鎮痛薬、筋弛し緩かん薬、ビタミンB剤などです。
患部を温める「温熱療法」も、痛みを緩和したり、筋肉の緊張をとるのに役立ちます。入浴、カイロなどで温めます。
「牽けん引いん療法」は、神経への圧迫を軽減する目的で行われますがほとんど無駄です。
脊髄障害による症状(手指のしびれ感と巧緻運動障害、歩行障害、膀胱の機能障害)が現れている場合には、なるべく早い時期に手術を受ける必要があります。
この状態が長く続くと、脊髄の回復能力が悪くなり、手術後も症状が残りやすいからです。
また、神経根障害による症状(上肢の痛みやしびれ)が強く、長く続いてつらい場合にも、手術が適応となります。
代表的な手術法として、脊柱管拡大術(後方除圧)と脊椎固定術(前方除圧)とがあります。
脊柱管拡大術は、脊柱管を形成している椎つい弓きゅう(椎骨の後方にあって弓状に脊柱管を囲む部分)の片側を切り離し、後方に出ている棘きょく突起からとった骨を移植することで、脊髄の通り道を広げる手術です。
脊椎固定術は、神経に圧迫を加えている椎骨や椎間板を取り去り、そこに骨盤からとった骨を移植する手術です。
手術を受ければ、ほとんどのケースで症状の改善が見られます。ただし、どれだけ改善されるかは、それまでに神経が受けてしまった障害の程度によって異なります。
年をとれば、椎管板、椎骨、靭帯などに加齢に伴う変性が起きることは避けられません。しかし、なるべく頚椎に負担をかけない生活を送ることで、痛みなどの症状を起きにくくすることは可能です。
老化現象の起きている頚椎にとって、最もよくないのは首を後ろに反らせる姿勢です。急に首を反らせたり、長時間その姿勢を続けたりしないように注意してください。
また、首が冷えると症状が出やすくなる傾向があるので、寒い季節には、マフラーやハイネックのセーターなどで首を温かく保つことも、症状が出るのを予防するのに役立ちます。
頚椎の老化は避けられなくても、悪化を招く状況を避けるようにすれば、症状は出にくくなります。
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Q:中川式腰痛治療法は30日で改善するということですが、治療院まで行かなくても自宅で簡単にできるということですか?
A:もちろん、そうです。
自宅でやっていただくだけです。
Q:手術を受けても痛みが変わりません。
改善する見込みはあるのでしょうか?
A:痛みの原因がその症状ではなかったという事です。
Q:手術を受けた後、痛む場所が増えたのですが、
理由は何なのでしょうか?
A:他の部位にまで緊張させてしまう原因を作っているのだと思います。
Q:ブロック注射を受けましたが、
以前と変わらぬ痛みがあります。
A:ブロック注射はあくまでも麻酔です。
Q:家族に心配をかけたくないんです・・・。
A:品名には「DVD、冊子」とだけ記載されますのでご安心ください。
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